もうコンタクトレンズは必要ありません

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もうコンタクトレンズは必要ありませんブログ:15-09-26


国際結婚すると告げたオレに
「聞きたくない…」と
お父さんは予想通りの反応をした。

オレも反発して
別に祝って貰わなくて結構だと言い放った。

お父さんは野球が好きで地元の少年野球団の監督をしており、
自らも草野球チームのエース。

一方、オレは大の運動嫌い、
お父さんの期待を踏みにじり、
買って貰ったグローブを、大雨の中外に置き去りにした事もある。

オレとは対象的に、弟はスポーツ少年に育った。
オレはお父さんが弟ばかり気にかけていると感じ、
大学で一人暮らしを始めるまで、お父さんの前で素直になれなかった。

大学時代、オレは世界中を放浪して過ごした。
そんなオレをずっと心配してくれたのは母親だった。
お父さんには黙って旅に出ていたが、
母親はお父さんに全て話していたらしい。

その後、オレが商社に内定した時、
お父さんはオレを行きつけの居酒屋に連れていった。

会話は少なかったが、
常連客から「ムスコさんと飲めるなんて幸せだね」と囃されて
お父さんは嬉しそうにしていた。

徐々に解れた親子の糸は、
オレが大学時代に出会ったドイツの女性と
結婚すると決めたことで再び縺れてしまった。

母親や弟、婚約者のためにも
お父さんとの関係を修復しなければならない。

一週間くらい前、オレは実家に出向いて
お父さんをキャッチボールに誘った。

オレの投げる球は
お父さんの所まで届くのに精一杯だったが、
お父さんの球はオレの胸元まで真っ直ぐ飛んできて
その度に手のひらがビリビリと痺れた。

最初にクチを開いたのは父だった。
「お前のやりたいようにやれ。お前より年上の人間なんて先に死んじまうんだから、
周りの理解など求めんでいい」

オレが返事をするより先に弟が来て
「仲良しじゃん」と嬉しそうに言ってきた。

オレはボールを投げ返しながら
「親子だからな」と言ってみた。
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